今年5月9日に亡くなった美容界の巨匠「ヴィダル・サスーン」のドキュメンタリー映画、
観てきました。
　　　
　　　
　　　

　　　
若い人はドラッグストアーで見かけるヘアケアー製品？としか知らないかもしれませんが、
６０年代にヘアスタイルの世界にハサミ１つでモダニズム・ポップカルチャーを持ち込んだ
革命児だったのです。
貧しいシャンプーボーイから始まり、1950年代半ば以降、斬新で手入れが簡単なカットを提案。
　　　　
　　　
　　　

　　　
VSのマークが目を引くヴィダル・サスーンの製品
　　　
　　　
　　　

　　　
残念ながら、このドキュメンタリーが出来た後、今年の今年5月9日に亡くなってしまったのですが、
８４歳にしてダンディーで背筋のピンとした洒落っ気たっぷりの方だったのですね。
とてもステキです。
　　　
　　　
　　　　　

　　　
ヴィダル・サスーン氏が半世紀以上にわたり、世界中の女性と
ファッション及びビューティ業界に与えた幾多の功績はすばらしいものでした。
常に前向きで革新的、クリエーションとビジネスを両立させたサスーン氏はさすがです。

６０年代にして、このヘアースタイル・・・・。
その前まではパーマをあてて逆毛を立てて、装飾的にヘアースプレーで
ガチガチにセットアップしていた女性達のヘアースタイルを、
髪質を生かしたシャープなカットだけでこんなヘアースアイルに変えてしまうなんて・・・。
　　
カーラーを巻く必要もない。ちょっと乱れても頭を振れば元にもどる。
社会進出を始めた女性たちの生活スタイルさえも変えてしまった。
　　　
まるで美容界の「ココ・シャネル」と呼んで良いくらい革新的に変えちゃったんですよね。
ジオメトリックなヘアースアイルは誰でも似合うと思わないけれど、
当時のファッショニスタ～女優までを次々と引き寄せてしまったのがスゴイです。
　　　
　　　
　　

　　　
ミニスカートが似合うツィギー
　　　　
　　　　
　　　　

　　　
ペギー・モフェットは迫力のメイクとヘアースタイルですね。

　　　
　　　　

　　　
私の好きなツィギーやペギー・モフェット、
そしてロマンポランスキーの映画「ローズマリーの赤ちゃん」の撮影中に
ミア・ファローの髪をバッサリとショートにしてしまったのもサスーン氏でした。
　　　
　　　　
　　　　　

　　　
あのミア・ファローのヘアースタイルは今見ても何ともキュートですよね。
そのシンプルで幾何学的な髪型は、マリー・クワントがデザインした当時人気のミニスカートや
細身のミニマルな服にも良く合って、ファッション業界にも影響を与えてしまってました。
　　　
　　　
　　　

　　　
カットしてもらっているマリー・クワント
　　　
　　　
　　　

　　　
アナウインターのドキュメンタリー映画「ファッションが教えてくれる事」に出演していた
アメリカ版VOGUEのクリエイティブ・ディレクター、グレイス・コディントンも
今からは信じられないけれど、こんな髪型していたんですね～。
バウハウス的な造形がヒントだったという彼のカットは、それぞれの骨格や体型、
髪の流れを考慮するという画期的な手法だった。

　　　　
　　　
　　　

　　　
1928年、ロンドン生まれのユダヤ系。
幼少期は孤児院で過ごし14歳でロンドンの美容室にシャンプー係として雇われた。
下町なまりを5年かけて直し、1日14時間労働を自分に課すなど、
反骨心と情熱と活力で道を切り開いたヴィダル・サスーンの波瀾万丈の生涯も見逃せない。
革新的な６０年代に興奮します。
美容業界の方だけに留まらず、ファッション関係の方にも見て欲しい映画です。

上映は渋谷の UP・LINK （アップリンク）です。最終は夜9時半からやっています。
お仕事帰りにちょっとゴハンを食べてから見に行ける時間ですね。
UP・LINK はミニミニシアターなので、30～50人くらいで一杯になってしまうので、
先に整理券をもらった方がベターです。
　　　
　　　
　　　

　　　
前の方にはクッションみたいなのが置いてありますが、
ここに座って見ても良いのかと思われます。
　　　
　　　
　　

　　　

折りたたみのディレクター・チェアーみたいなやつなので、
リラックスしてしまいますが、寝てしまわない様に！